千歳水族館を訪れる計画を立てる際、最も意識すべき要素が「訪問する季節」です。千歳川の自然と直結しているからこそ、時期によって見られる光景が劇的に変化します。
最大のハイライトとなるサケの遡上時期は、例年8月下旬から11月上旬にかけてです。とりわけ遡上のピークを迎えるのは9月中旬から10月下旬。この時期の水中観察ゾーンには、婚姻色と呼ばれる赤黒い模様を身にまとい、傷だらけになりながらも産卵のために母なる川を上る無数のシロザケが押し寄せます。川底でメスが産卵床を掘り、オスが激しく争う生々しい命の営みをガラス越しに目撃できる体験は、他の水族館では決して味わえません。
一方、春の風物詩としてファミリー層から絶大な人気を誇るのが、例年3月〜5月頃(ゴールデンウィーク含む)に開催される「サケ稚魚放流体験」です。館内で大切に育てられた体長数センチの稚魚を小さなカップに受け取り、参加者自らの手で千歳川へと放ちます。「元気に海まで旅立ってね」と子どもたちが声を掛けながら川へ送り出すこの体験は、単なる観光を超えた生きた環境教育の場として高い評価を得ています。
夏にはウグイやヤマメの群れ、秋のサケ、冬には産卵を終えて力尽きたホッチャレ(親魚の遺骸)とそれを糧にする水鳥たちなど、四季折々の命のサイクルが千歳川には息づいています。