定期券の利用期間中に転勤、引っ越し、退職などが発生した場合のルールには、一般に知られていない重大な盲点が存在します。ネット上の情報では「使わなくなった定期券は日割りで返金される」と誤認されがちですが、実際には日割り計算の仕組みは存在しません。
JR定期券の払い戻し計算方法は、「使用済みの月数」または「10日を一区切りとする旬(しゅん)」を基準に算出されます。例えば6ヶ月定期を購入し、3ヶ月と1日使用した段階で払い戻しを申請した場合、JRの計算上は「4ヶ月使用した」とみなされ、発売額から4ヶ月分の普通定期運賃と手数料220円を差し引いた残額しか返金されません。わずか1日の遅れで1ヶ月分の定期運賃相当額が目減りするため、払い戻し日は厳密に管理する必要があります。
引っ越し等で区間が変わる際のJR定期券の区間変更手続きにも特殊な手順が存在します。現在の定期券を単純に解約するのではなく、先に変更後の新しい定期券を購入し、その後で旧定期券の払い戻しを申し出ることで「区間変更」として扱われます。この手続きを行うと、旧定期券の使用期間が10日単位の「旬割」で計算され、通常の月単位計算よりも無駄のない金額が返還されます。
また、従来の紙製やプラスチック製の磁気券からICカードへ移行するJR定期券の磁気定期からSuicaへの変更については、Suica対応の多機能券売機または指定席券売機に磁気定期券を挿入するだけで、残存期間や区間情報をそのままSuicaへ移し替えることが可能です。手数料は不要ですが、新規にSuicaを発行する場合は預り金(デポジット500円)が一時的に必要となる点に留意してください。