この未曾有の流出劇を引き起こした背景には、当時のP2PソフトウェアであるWinnyや、その後に登場したShareの存在がある。これらのソフトは、高い匿名性と高速なファイル転送を実現する画期的な技術で作られていた。しかし、その強力な拡散性能が裏目に出た。
ウイルス感染によって意図せず放たれたデータは、転送ノードを次々と経由し、ネットワーク全体へと瞬時に拡散した。セキュリティ対策ソフトをすり抜けるように設計された暴露ウイルスは、個人のプライバシーのみならず、官公庁や企業、警察組織の内部情報までをも次々と暴いていった。利便性の裏に潜む凶暴なリスクを、当時のユーザーは十分に理解していなかったのだ。