映画『リトル・フォレスト』で描かれたような、丁寧な手仕事と季節に根ざした食の風景に憧れる若年層が増えている。さらにYouTubeでは、料理家たちが鍋炊きご飯の魅力を解説する動画が数十万回から数百万回再生を連発。電気に頼りすぎないシンプルな暮らしを志向する潮流が、食品産業全体にもじわじわと影響を与え始めている。
最新の高級炊飯器は10万円を超えるものも珍しくない。だが、熱伝導率の高い手持ちの鍋を使えば、わずか数千円の道具であっても同等、いやそれ以上の仕上がりが手に入る。短時間で一気に沸騰させ、米一粒一粒を対流させる直火のパワーは、現代のライフスタイルに驚くほどフィットしているのだ。