映画製作への挑戦は、唐突に始まったわけではない。小泉今日子が代表を務める「株式会社明後日」における、長年の舞台演劇プロデュースの経験が決定的な基盤となっている。劇場という濃密な空間で、観客とダイレクトに対峙しながら作品を鍛え上げていく舞台制作のノウハウ。そこには、観客の心に届く本質的な表現を見極める確かな審美眼が宿っていた。
舞台演劇で培ったストイックなものづくりの精神と、演者や裏方を等しくリスペクトする姿勢。それがそのまま、新世界合同会社を通じたインディペンデント映画製作へと注入されている。舞台と映画、ジャンルを越境して脈打つ熱量こそが、二人の手掛けるプロジェクトに共通する強烈な磁場だ。