どれほど見事な目利きで選んだ桃も、持ち帰った後の扱いを一つ間違えれば台無しになる。野菜ソムリエプロやフルーツ・食文化ガイドが口を揃えて警告するのは「冷やしすぎの罠」だ。
桃は冷気にとことん弱い。冷蔵庫の野菜室に長時間入れてしまうと、甘みを感じにくくなるだけでなく、低温障害を起こして果肉が茶色く変色し、パサパサの「ス」が入った状態になってしまう。基本は風通しの良い日陰の常温保存。エアコンの風が直接当たらない場所で、お尻を上にして置くのが基本フォームだ。
食べる前の1〜2時間だけ冷蔵庫に入れるか、氷水に15分ほど浸してキュッと冷やす。この短時間のクーリングこそが、芳醇な香りを閉じ込めたまま果汁の甘みを最大限に引き出すプロの技である。