大都市には、莫大な税金が投じられた最高峰のパブリックスペースが数多く眠っている。それらをデートコースとして再定義するだけで、ラグジュアリーホテルにも劣らない特別な時間が手に入る。
活字好きや知的好奇心の旺盛なパートナーなら、永田町に鎮座する国内唯一の法定納本図書館である国立国会図書館が抜群の選択肢になる。国内で出版されたほぼすべての出版物が集まる圧倒的な知の迷宮で、お互いの生まれ年の雑誌や幼少期の絵本をリクエストして閲覧する時間は、どんな高級バーでの会話よりも雄弁に互いのバックボーンを語り明かす場となるはずだ。
オープンエアな開放感を味わいたいなら、東京都立公園(東京都建設局が管轄)の広大な緑地や歴史的庭園を活用しない手はない。手作りの軽食を持参して季節の移ろいを感じながら過ごす時間は、日常の喧騒を忘れさせる。さらに日没後には、地上202メートルの高さから東京の大パノラマを一望できる東京都庁展望室へ足を伸ばす。夜景鑑賞のために数千円を支払う必要はどこにもない。公的インフラをスマートに使いこなす姿勢そのものが、大人の知性と洗練さを際立たせる。