日本国内の小動物臨床獣医療は近年、急速な高度化を遂げている。日本獣医師会や公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)などの専門機関は、家庭内における動物の些細なバイオマーカーの変化を軽視しないよう、飼い主に対する啓発活動を強化している。
各協会に所属する臨床現場の獣医師たちが口を揃えるのは、「昨日から震えていたが様子を見ていた」という受診の遅れが、救命率を著しく下げるという過酷な現実だ。慢性腎不全による尿毒症、急性膵炎の激烈な腹痛、あるいは椎間板ヘルニアによる激痛。これらはいずれも初期段階で「静かに震える」という共通のシグナルを発する。定期的な健康診断はもちろんのこと、日常の行動パターンから逸脱した震えを感知した段階で、臆せずホームドクターの門を叩く決断が求められる。