「まぶたのしこりは放っておけば勝手に消えるのか」という疑問に対する医学的な回答は、「病態の初期段階であれば自然吸収されるものもあるが、組織が固定化されたものは自然治癒しない」となります。
例えば、発症初期のマイボーム腺梗塞や、軽度の霰粒腫であれば、蒸しタオルなどで目元を40度程度で10〜15分温める「温罨法(おんあんぽう)」を連日継続することで、固まった脂質が融解し、自然に開口部から排出されて消失することがあります。また、免疫機能が正常であれば、軽微な麦粒腫も自律的な排膿とともに1〜2週間で寛解へ向かいます。
しかし、発症から数週間以上が経過して硬いしこりとして完成した霰粒腫は、内部が線維性の被膜で覆われて肉芽腫化しているため、自然に消失することは極めて困難です。放置すると数か月から数年にわたり異物感が残るだけでなく、しこりが眼球(角膜)を圧迫して不正乱視を引き起こし、視力低下を招くケースも存在します。また、透明な「小さい水ぶくれ」に見えるアポクリン汗嚢腫や、ウイルス性の単純ヘルペス角結膜炎の初期症状である水疱などは、放置することで角膜障害へ波及する危険性があるため警戒が必要です。