ドラえもんの公式プロフィールを確認すると、異様なほどひとつの数値が繰り返されていることに気付きます。それが「129.3」というミステリアスな数字です。
小学館が発行する『ドラえもん公式大百科』等に掲載されている公式スペックは、まさに129.3のオンパレードとなっています。
- 身長:129.3cm
- 体重:129.3kg
- 胸囲(胴囲):129.3cm
- 頭周囲:129.3cm
- 足の長さ:129.3mm
- 馬力:129.3馬力
- 逃げる速さ(ネズミを見たとき):時速129.3km
- ジャンプ力:129.3cm
なぜここまで徹底して129.3という数値にこだわったのでしょうか。かつて原作者の藤子・F・不二雄先生が自著の解説やテレビのインタビュー取材で明かした証言によると、明確な意図が存在します。連載が開始された1969年(昭和44年)当時、文部省(現・文部科学省)が発表した学校保健統計調査において、「小学4年生の全国平均身長が129.3cm」だったことに由来しています。
連載の主たる読者層であった小学4年生(学年誌『小学四年生』など)にとって、「自分と同じ目線の高さにいる存在」として設計された結果でした。見下ろす威圧感を与えず、同時に子どもが見上げるような大人でもない。目線を完全に一致させることで、読者自身がのび太と同化し、ドラえもんを心から心を許せる友だちとして受け入れられる心理的仕掛けが施されていたのです。