ポスターカラーを塗る際、もっとも多い失敗が「筆跡のムラ」「色の濃淡のムラ」「下の色が溶け出して混ざる濁り」の3点です。これらを防ぎ、印刷のように滑らかな塗面を作るには明確な手順と技術的なセオリーがあります。
1. 黄金比の水加減を守る
ポスターカラーのきれいな塗り方の成否は、水で薄める割合で8割が決まります。最適な比率は「絵の具7〜8に対し、水2〜3」です。パレット上で混ぜたとき、「ポタージュスープ」や「トロッとした練乳」のような粘度を目安にしてください。水が多すぎると透明水彩のように透けてムラになり、水が少なすぎると筆が引っかかって厚塗りの段差ができてしまいます。
2. 一方向へ素早く塗り広げる
塗る際は、筆を往復させず、常に一定の方向(左から右、上から下など)へ一定速度で運ぶのが鉄則です。絵の具のエッジ(境界)が乾く前に次のストロークをわずかに重ねることで、継ぎ目のないフラットな面が仕上がります。ナイロン製の平筆や柔らかい彩色筆を使うと筆跡が残りにくくなります。
3. 重ね塗りは完全乾燥と「置き塗り」が必須
ポスターカラー重ね塗りのコツは、下地が100%完全に乾いていることを確認してから作業することです。乾燥していない状態で重ねると、下層の顔料が溶け出して濁ってしまいます。さらに、上から塗る際は筆を紙に強く押し付けず、「絵の具の膜を下地の上に優しく置いていく感覚」で撫でるように塗布します。筆を何度も同じ場所で往復させると、水溶性の下地がリフティング(再溶解)を起こすため、手早く1〜2回で決める技術が求められます。