国旗という記号は、時代ごとの国民心理を映し出す鏡でもある。1967年、TBSのドキュメンタリー番組『日の丸』で街頭の人々に「日の丸は何を象徴しているか」と問いかけた実験作は、当時の社会に鮮烈な波紋を呼んだ。それから半世紀以上の時を経て制作された映画『日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜』は、同じ問いを現代の若者や外国籍の住民へと投げかけ、話題をさらった。
かつて街頭インタビューで返ってきた熱を帯びた国家観は変容し、より個人的で多様な距離感へと細分化されている。こうした歴史ドキュメンタリーの再評価は、単なる懐古趣味にとどまらない。
現在ではNetflixやNHKオンデマンドなどのストリーミング配信を通じて、過去のアーカイブ映像が国境を越えて視聴されている。映像ジャーナリズムの視線は、国旗が単なる政治的シンボルではなく、個人の記憶や所属感とどのように交錯しているのかを冷徹に記録し続けている。