悪法ではなかった?生類憐れみの令が覆す徳川綱吉の真実と名君説

悪法ではなかった?生類憐れみの令が覆す徳川綱吉の真実と名君説

悪法ではなかった?生類憐れみの令が覆す徳川綱吉の真実と名君説の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

では、一体誰が綱吉を「希代の暴君」に仕立て上げたのか。その決定的な契機を作ったのが、綱吉没後に第6代将軍・家宣の補佐役となった儒学者・新井白石である。

白石は自らの主導する政治改革(正徳の治)を正当化するため、前将軍である綱吉の治世を徹底的に否定する必要があった。政権交代に際して前政権の失政を大々的にアピールするのは、古今東西の政治闘争における常套手段だ。

白石が著した『折たく柴の記』や同時代の記録では、綱吉の政策の行き過ぎた事例や極端な風説が集中的に強調され、社会福祉や秩序安定の功績は巧妙に覆い隠された。こうして作られた「悪法と暴君」のプロパガンダが明治以降の歴史記述にも無批判に引き継がれ、長きにわたって国民的常識として定着してしまったのである。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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