「困っている人だけを助ける」。一見すると人道的で筋が通っているように思える選別的福祉こそが、実は日本社会に深い不信を植え付けてきた。税金を納める中間層は手厚い恩恵を受けられず、負担感ばかりが募る。その一方で支援を受ける困窮層はスティグマを背負わされ、周囲からの厳しい視線にさらされる。
結果として噴出したのが、「なぜ自分たちの苦しい稼ぎで他人を養わなければならないのか」という生活者同士の反目だ。東洋経済オンラインなど多様な言論空間でも指摘されてきた通り、ターゲットを絞った社会保障政策は、本来連帯すべき人々を分断し、苛烈な自己責任論を加速させる温床となってしまった。