元消防幹部であり防災危機管理の第一人者である矢島薫氏は、近年の取材に対し「即応対処部隊の強みは単なる装備の豪華さではなく、秒単位で変化する現場の危険を察知し突破する判断力にある」と強調する。二重遭難のリスクと隣り合わせの現場で、どのような決断を下すのか――そのリアリティは極めて緻密だ。
実在する部隊の苦悩や葛藤は、メディア作品にも影響を与えた。大ヒットを記録した劇場版『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』で描かれた過酷な現場描写や緊迫したレスキューの駆け引きは、まさに即応対処部隊が日常的に対峙している現実そのものである。映画を見た人々が抱く恐怖と感動の裏には、日々現場で戦う隊員たちの血の滲むような努力が存在している。