ホバークラフトの歴史を紐解く上で、イギリスの偉大な発明家クリストファー・コッカレル卿の存在を外すことはできない。1950年代、彼は缶詰の空き缶と掃除機を用いた簡素な実験から、空気の膜を機体下に閉じ込めて浮揚力を生み出す革新的な原理を発見した。このアイデアは大型の旅客艇や軍用艇として実用化され、世界の交通史に革命をもたらした。
スケールモデルの世界においても、この物理メカニズムは忠実に再現されている。浮上用(リフト)ファンで機体下部にエアを溜め込み、スカートと呼ばれる柔軟な帆布やゴム膜で圧力を保持。そこへ推進用(スラスト)ファンが加わることで、地表や水面から数ミリ浮いた状態で滑走する。物理法則を手のひらサイズで体験できる奥深さこそ、大人たちを魅了して離さない最大の理由である。