2020年代半ばを迎えた現在、映像表現の主戦場はミッドセンチュリーの雰囲気を色濃く再現するNetflixなどのグローバルな配信プラットフォームへと広がっている。昭和や20世紀後半のアナログな質感が見直される中で、かつてのハードボイルドな美学へのオマージュが世界的なトレンドとして定着してきた。
無駄なセリフを削ぎ落とし、ただ煙草を一本くわえて佇むシーンの存在感。デジタル化が進む現代だからこそ、黒タバコが持つ泥臭くも圧倒的な存在感やノスタルジーは、若いクリエイターや視聴者の心を強く惹きつけてやまない。記号としての紫煙は、今なおレトロ・クールな演出として欠かせない要素であり続けている。