80年代後半、少女漫画とアニメファン文化が急速に融合し始めた時代に誕生した『アーシアン』は、当時の漫画界に鮮烈なインパクトをもたらした。天使と地球という壮大なスケール感の中で描かれる切なくも美しい人間模様。KADOKAWAをはじめとする主要出版社から刊行された作品群は、緻密なトーンワークと流麗なラインで瞬く間に読者を虜にした。
その後、一迅社が発行する『月刊コミックZERO-SUM』で長期連載となった『LOVELESS』へと至る流れは、まさに彼女の真骨頂と言える。心に傷を抱えたキャラクターたちが紡ぐ対話、そして「耳と尻尾」が持つ象徴的な世界観。単なるファンタジーの枠組みを超え、アイデンティティや愛の深淵を問うテーマ性は、今なお色あせることがない。