食卓の華やかさの裏側で、鮭を取り巻く環境は激変している。海水温の上昇や海洋環境の変動に伴い、国内の白鮭の来遊数は記録的な減少を見せており、水産庁も資源管理の抜本的な見直しや持続可能な漁業への転換を急ピッチで進めている。こうした資源逼迫の危機に対し、国内の水産加工・食品産業はかつてないスピードで技術革新を進めている。
陸上養殖による安心安全な国産サーモンの育成や、急速冷凍技術の進化によってドリップを極限まで抑えた加工フィレの開発など、最先端のテクノロジーが鮮魚売り場を支えている。フードロス削減の意識が浸透する中、骨や端材を余すことなくエキス化して調味料へとアップサイクルする試みも本格化した。私たちが今、日常的に美味しい鮭を味わえる背景には、海から台所までをつなぐ産業界の並々ならぬ執念が存在している。