勝手に動く唇と舌先…心の薬が招く不随意運動の正体と最新対策

勝手に動く唇と舌先…心の薬が招く不随意運動の正体と最新対策

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脳内でドーパミンが神経伝達物質として機能していることを解明し、ノーベル生理学・医学賞を受賞したスウェーデンの薬理学者アルビド・カールソン。彼の先駆的な知見は、現代の精神薬理学の礎となった。統合失調症や双極性障害の妄想・幻覚を抑え込む抗精神病薬の主たる標的は、脳の辺縁系にあるドーパミンD2受容体の遮断である。

しかし、薬によって長期間にわたり受容体を遮断され続けた脳は、欠乏したシグナルを補おうと受容体の密度を異常に増加させる。いわゆる「受容体過感受性(アップレギュレーション)」の発生だ。飢餓状態に置かれた受容体は、わずかなドーパミンにも過敏に反応し、運動制御を司る線条体で暴走を始める。精神を鎮めるための薬が、長期の時間をかけて運動野のブレーキを破壊していく。生体の精緻な代償機能が引き起こす、皮肉な逆転現象と言える。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。