インターネットとAIが社会インフラとなった現在、公共の福祉の概念は新たな試練に直面している。SNSでの誹謗中傷に対する規制やプライバシー保護の強化は、表現の自由と個人の名誉権という、相容れない二つの人権が正面から激突する最前線だ。
公衆衛生上の危機管理や大規模災害時における情報統制の是非など、かつての法学者たちが想定していなかった新たな対立軸が次々と生まれている。社会の安全を盾にした過剰な私権制限を警戒しつつ、放置すれば個人の尊厳が脅かされる事態をいかに防ぐか。制度設計の現場では、時代に即した新たなバランスの模索が続いている。