法的な解釈においても、日本のタトゥーカルチャーは激震を経験している。かつて厚生労働省は「針先に色素を付けて皮膚に突き刺す行為」を医師法違反(無免許医業)として取り締まる姿勢を示し、全国の彫師たちが摘発される事態が相次いだ。表現の自由か、それとも無許可の医療行為か。業界の存亡をかけた戦いは法廷へと持ち込まれた。
風向きを決定づけたのは最高裁判所の判断だ。裁判所は、彫師の施術は医療目的で行われる医行為には当たらず、医師法違反には問えないとする無罪判決を確定させた。この歴史的司法判断を受けて発足した日本タトゥーイスト協会などは、衛生管理基準の策定や自主ルールの厳格化を推進。アンダーグラウンドに押し込められていた現場は、安全性と透明性を担保した専門技能職としての地位を確立しつつある。