上高地への玄関口である釜トンネルの手前、旧安房峠の山腹標高約1,500メートルに建つ中の湯温泉旅館。かつては現在の安房トンネル坑口付近に位置していましたが、道路工事に伴う水蒸気爆発事故を経て、1998年に現在の高台へと移転・再建された歴史を持ちます。
この宿が持つ最大のアイデンティティは、周囲の山小屋やリゾートホテルがことごとく冬季休業に入るなか、上高地エリアで唯一の通年営業を続けている点です。11月中旬から翌年4月下旬にかけて上高地公園線が閉鎖され、静まり返る極寒の季節でも、ここには温かい湯煙と人のぬくもりがあります。厳しい自然環境と隣り合わせでありながら、館内は清潔感にあふれ、秘湯の風情と快適な居住性が見事に両立。都会の喧騒から隔絶された静寂を求め、多くのリピーターが四季を問わず足を運んでいます。