すべての事件が解決し、平穏を取り戻したかに見えたマンション。しかし、最終回のラスト数分で視聴者を戦慄させたのが、無人の廊下をひとりでに進んでくる「車椅子」と、そこに貼り付けられた「あなたの番です」と書かれた紙でした。
直前のシーンでは、介護施設に入居していた赤池幸子(大方斐紗子)が、何者かによってビルの屋上に連れ出され、両手を拘束された状態で置き去りにされている姿が映し出されています。このラストシーンが内包するメッセージについて、主要な解釈は以下の3点に集約されます。
- 赤池幸子と黒島沙和の血縁関係の清算:赤池幸子は黒島沙和の実の祖母であり、黒島の異常な本性を早期から見抜いていた唯一の人物でした。遺産相続を巡る暗闘の中で幸子が黒幕の凶行を裏で楽しんでいたフシがあり、その報復または口封じが行われた可能性。
- 新たな模倣犯の出現:黒島が逮捕されても「交換殺人」という劇薬のアイデアは消滅せず、マンションの住人または外部の第三者に悪意のバトンが渡ってしまったという警鐘。
- 視聴者自身への問いかけ:画面の外にいる私たちに対して「次に理性を失い悪意のゲームに手を染めるのは、あなたの番かもしれない」というメタフィクション的な演出意図。
江藤祐樹(小池亮介)が幸子と異常に親密であったことや、最後まで彼が何を企んでいたのかが明確に断定されなかった点も含め、制作陣はあえて「完全な日常の回復」を描かないことで、ホラーミステリーとしての余韻を最大化させました。