サウザーの強さと異質性を支えていたのは、精神的な狂気だけではありません。ケンシロウを初戦で敗北に追い込んだ「肉体の謎」もまた、彼のカリスマ性を補強する重要な要素でした。
劇中で明かされたその真相は、心臓の位置が左右逆であり、それに伴って秘孔の位置もすべて左右表裏が逆になっている「先天性内臓逆位」という特異体質です。北斗神拳の定石が一切通用しないこの体質が、彼に「神から愛された肉体」という無敵の確信を与えていました。
サウザーの思想と行動原理をより客観的に理解するため、作中の好敵手であるケンシロウ、覇王ラオウとの心理構造および象徴的なセリフを比較したデータが以下の通りです。
ラオウの「一片の悔いなし」が全人生を肯定した上での総括であるのに対し、サウザーの「省みぬ」は、振り返ることそのものを恐怖し拒絶する現在進行形の叫びでした。この危ういまでの緊張感こそが、読者の心を捉えて離さない魅力となっています。