西農の真骨頂は、その卓越した「出口戦略」にあります。普通科高校では偏差値50前後の学力層が進学先や就職先に苦心するケースが見られますが、西農における進路・就職先の実績は目を見張るものがあります。
地域における絶大なプレゼンスを象徴するのが、毎年秋(11月中旬)に開催される「西農祭」です。西農祭の日程が近づくと、地元メディアでも告知され、生徒たちが丹精込めて育てた新鮮な野菜、精肉、ジャムや味噌といった加工品を求めて、早朝から校門前に長蛇の列が形成されます。このイベントは単なる学園祭ではなく、生徒にとっては「自らの労働の対価として消費者に喜んでもらう」という商業・マーケティングの極めて実践的な教育現場となっています。
こうした濃密な3年間を経て、西農出身の有名人にはプロ野球界へ進んだ名選手や、農業界のイノベーター、地域経済を牽引する経営者が数多く名を連ねています。現場での地道な努力を厭わない精神力は、どの業界へ進んでも重宝される強力な武器となっています。