O157に感染した患者の手記や医療機関での臨床記録によると、感染初期は「軽いお腹の違和感」や「軟便」から始まるケースが多く見られます。しかし、感染から数日経過すると突如として「経験したことのない差し込むような猛烈な腹痛」へと変貌します。
典型的な臨床経過は以下の通りです。
- 初期(発症1〜2日目):水のような下痢が頻回に起こり、下腹部に強い痛みが走る。発熱は微熱程度にとどまることが多い。
- 急性期(発症3日目前後):便に血液が混じり始め、やがて血液そのもののような鮮血便(出血性大腸炎)に移行する。
- 重症化局面(発症後約1週間):ベロ毒素が血管内皮細胞を破壊し、赤血球の破壊(溶血性貧血)、血小板減少、急性腎機能障害を引き起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発する恐れがある。
小児や高齢者が感染した場合、「尿量が急激に減る」「顔色が青白くなる」「意識がもうろうとする」といった危険シグナルが現れます。このような症状が見られた際は、一刻を争う救急搬送が必要です。