5歳を迎えた猫が特に注意すべき代表疾患が、下部尿路疾患(尿路結石・膀胱炎)と歯周病です。
猫は元来、飲水量が少なく濃い尿を作る体の構造をしています。そのため、ストルバイトやシュウ酸カルシウムといった結石が尿道や膀胱に形成されやすく、5歳前後の運動量低下や水分不足が引き金となって発症するケースが後を絶ちません。予防策として、新鮮な水を複数箇所に設置する工夫や、ウェットフードを併用した水分補給、さらにはミネラルバランスが調整された療法食の選択が効果的です。
もうひとつの盲点が口腔環境です。3歳以上の成猫の約8割が歯周病予備軍といわれていますが、5歳になると症状が進行し、口臭の悪化や歯茎の赤み、硬いカリカリを片側の歯だけで噛むといった行動が目立ち始めます。歯周病菌が血管を通じて全身を巡ると、将来的な腎臓病や心疾患の遠因にもなるため、デンタルジェルや歯みがきシートを用いた日々のオーラルケアが不可欠となります。