介護施設に設置されている特殊浴槽には複数の種類が存在し、利用者の身体状況に合わせて最適なタイプが選定されます。
1. チェアー浴(座位型浴槽)
専用の車椅子(シャワーキャリー)に座ったまま、昇降装置や浴槽扉の開閉によって湯船に浸かるタイプです。
【メリット】座位が保てる方であれば、自然な入浴姿勢でリラックスできる点や、ストレッチャー浴に比べて省スペースで設置できる点が挙げられます。
【デメリット】背もたれから身体が崩れてしまう方や、極度の円背(背中が曲がった状態)・股関節の拘縮がある方には適しません。
2. ストレッチャー浴(臥位型浴槽・寝台浴)
専用のストレッチャー(寝台)に横たわったまま、浴槽内へスライドまたはリフト昇降させて入浴するタイプです。
【メリット】完全な寝たきり状態や、座位保持が一切困難な重度者でも全身浴が可能です。
【デメリット】機器本体および移動スペースが大型化するため、広い浴室面積が求められます。
3. リフト浴(吊り上げ式・シート昇降式)
既存の浴槽や専用浴槽に対し、天井走行式リフトや床置き式アームで利用者を吊り上げて湯船に移動させる方式です。
特浴専用の大型一体型マシンと異なり、一般浴槽を活用できる柔軟性がある一方、吊り具(スリングシート)の装着技術が介助者に求められます。