ランニングや高強度のインターバルトレーニングを行った直後、喉の奥がヒリヒリとして血の味が広がる現象は、多くのアスリートや運動愛好家が経験しています。この主な理由は「肺毛細血管の圧力上昇」と「気道粘膜の急激な乾燥」にあります。
限界に近い強度の運動を続けると、心拍数が急上昇して肺の血管に強い圧力がかかります。その結果、極めて薄い肺胞の毛細血管から微量の赤血球が気道内へ染み出し、呼吸とともに喉へと上がってくることで鉄の味として感知されます。これは「運動誘発性肺毛細血管出血」と呼ばれる現象で、運動を止めて呼吸が整えば自然と治まる生理的な反応です。
一方、風邪やアレルギーなどで激しく咳き込んだ際にも同様の感覚が生じます。激しい咳の風圧と摩擦によって、喉のデリケートな粘膜表面にある微細な血管が擦れ、わずかな滲出(しんしゅつ)が起きるためです。