どちらか一方だけでも身体に負担がかかる不調ですが、なぜ「低血圧」と「貧血」が同時に重なってしまうのでしょうか。その背景には、女性特有の身体の仕組みとライフスタイルの影響が深く関わっています。
まず大きな要因となるのが、月経による定期的な出血です。出血によって体内の鉄分が失われると、ヘモグロビンの合成が追いつかなくなり、鉄欠乏性貧血を発症しやすくなります。日本人女性の多くは日頃の食事からの鉄分摂取量が不足気味であり、貯蔵鉄(フェリチン)が枯渇している「隠れ貧血」の状態にあるケースも珍しくありません。
ここに追い打ちをかけるのが、運動不足や極端なダイエットによる筋肉量の低下です。下半身の筋肉は、血液を心臓へと押し戻す「第二の心臓」のポンプ機能を担っています。筋肉量が少ないと静脈の血流が滞りやすくなり、血圧を正常域に保つのが難しくなります。その結果、「酸素を運ぶ力(貧血)」と「血液を押し流す力(低血圧)」の双方が同時に低下し、複合的なだるさや疲労感を生み出してしまうのです。