現代のお葬式でも、故人に持たせる副葬品として六文銭を用意する習わしが続いています。しかし、本物の硬貨を棺に入れることは厳禁とされています。
その理由は主に2つあります。1つ目は、貨幣を意図的に燃やしたり損傷させたりすることを禁じた日本の法律(通貨及証券模造取締法や貨幣損傷等取締法)に抵触する恐れがある点。2つ目は、金属製の硬貨を火葬炉に入れると高熱で溶けて遺骨やお骨壺に付着したり、火葬設備を傷めたりする実務上のトラブルを防ぐためです。
そのため、現代の葬儀社が用意する「旅支度セット」には、和紙などに本物の六文銭を模して印刷された紙製のお金や、燃えやすい木製のコインが使われています。「あの世にお金を持っていく」という古来の精神を守りつつ、現代の火葬マナーに適した形へとアップデートされているのです。