インターネットの掲示板やSNSでは、ダウン症に対して時代遅れの偏見や一方的な悲観論が散見されます。しかし、医療と社会保障の現場を取材すると、ネットの言説がいかに実態から乖離しているかが浮き彫りになります。
盲点1:ダウン症の子どもの大半は「20〜30代の母親」から生まれている
「ダウン症=高齢出産の産物」と決めつける声がありますが、これは統計の罠です。確率自体は母体年齢の上昇に伴って上がりますが、出産の総数そのものは20代〜30代前半のほうが圧倒的に多いのが現実です。結果として、日本国内で誕生するダウン症の子どもの半数以上は、実は35歳未満の母親から生まれています。「高齢出産だからダウン症になる」というステレオタイプは、統計的にも完全に誤った思い込みです。
盲点2:平均寿命が60歳を超える現代医療と療育の進歩
昭和の時代、ダウン症のある人の平均寿命は心臓疾患の合併などにより20歳前後にとどまっていました。しかし現代では、新生児外科手術の飛躍的進歩や早期療育プログラムの確立により、平均寿命は60歳を超えています。高等教育への進学や一般企業での就労、芸術・スポーツ分野での活躍など、社会参加の道は劇的に広がっています。