国際的な医学雑誌『The New England Journal of Medicine(NEJM)』等に掲載された大規模調査によると、タトゥーを持つ患者がMRI検査を受けた際に有害事象(発熱・火傷・違和感)を発症する確率は0.17%〜0.30%程度と報告されています。数字の上では極めて稀な事例と言えますが、一度発症した場合には軽微な紅斑にとどまらず、治療を要するレベルに達することがあります。
国内外の医療機関が公開している症例報告や医学論文の画像データでは、以下のような典型的な臨床症状が確認されています。
第一段階として見られるのは、検査中から検査直後にかけて刺青の輪郭に沿って現れる皮膚の発赤(第1度熱傷)や腫れです。重症例の症例画像では、表皮が熱変性を起こして剥離し、水疱(水ぶくれ)を形成する第2度熱傷に進行したケースも報告されています。
また、熱傷だけでなく、MRIの強力な磁場によって金属粒子が微細に移動し、タトゥーの変色や輪郭の滲み(ぼやけ)が生じたという報告も散見されます。皮膚の損傷自体は適切な皮膚科処置で治癒するものの、一度変質したタトゥーデザインを元の状態へ戻すことは極めて困難です。