「なぜこれほどの国民的ヒット作が、どのサブスクでも見放題にならないのか?」と疑問に思う方も少なくないはずです。ネット上では「過去のトラブルで配信停止になったのでは」といった憶測も飛び交いますが、その真相は極めてシンプルな著作権管理方針にあります。
『マルサの女』をはじめとする伊丹十三監督の全10作品は、すべて伊丹プロダクションが一元管理しています。伊丹プロダクションは、監督が生前注ぎ込んだ映像へのこだわりやカラータイミング、音響の再現性を非常に重視しており、作品の安易な安売りやデジタル空間での乱雑な消費を避けてきました。
過去には4Kデジタルリマスター化を記念して一部の配信プラットフォームやCS放送(日本映画専門チャンネルなど)で期間限定配信・放送が行われた例はあるものの、一般的なサブスクリプションサービスで「いつでも見放題」という形での長期ライセンス契約は結ばないスタンスが維持されています。これが、大手VODで検索してもヒットしない最大の要因です。