長年信じられてきた「布団を天日干しして叩く」という手入れ方法は、ダニ対策においては効果が薄く、むしろ逆効果になるリスクを孕んでいます。
ダニは熱に弱く、50℃の環境下で20〜30分、60℃以上なら瞬時に死滅します。しかし、真夏の直射日光下であっても、天日干しされた布団の表面温度はせいぜい40〜45℃程度にとどまり、ダニは温度の低い布団の内部や裏側へと逃げ込んでしまいます。さらに、布団叩きで強く叩くと、繊維の中に潜むダニの死骸やフンが粉砕され、微細なアレルゲンとなって表面に浮き上がり、吸い込みやすくなってしまいます。
また、家庭用洗濯機での水洗いも万全ではありません。生きているダニは繊維の奥に鋭い爪で強くしがみつくため、水流だけでは約20〜30%程度しか洗い流せないことが実験で判明しています。
確実な駆除には、布団乾燥機によるダニ死滅温度(50℃以上)の熱風処理を施し、その後に掃除機で死骸とフンを丁寧に吸引するという二段構えの手順が不可欠です。