実務の現場では、勇退という言葉の語感に惑わされ、誤った使い方をして赤っ恥をかくビジネスパーソンが後を絶ちません。最も重要な鉄則は、「勇退は相手に対する賛辞・敬意を含む言葉であり、自分自身の行動には絶対に使えない」という点です。
自分自身が退社する際に「このたび一身上の都合により勇退することとなりました」と挨拶状に書くのは、「私は功績を遺して名誉ある引き際を選びました」と自画自賛していることになり、極めて無作法な印象を与えます。自分に使う場合は「退任」「退職」「辞任」とするのが正しいルールです。
取引先や目上の役員へ送る勇退メッセージ例文
目上の役員や取引先トップが勇退される際、功績への感謝と敬意を込めたメール・手紙の文面例です。
【社外取引先宛てのメール・書面例文】 拝啓
〇〇の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびの貴社取締役会におかれまして、代表取締役社長 〇〇〇〇様がご勇退される旨を拝見いたしました。
長年にわたり業界の発展を力強く牽引され、数多くの偉大なご功績を残されましたことに、心より敬意と賞賛の意を表します。
在任中に賜りました温かいご指導と格別のご厚情に対しまして、深く御礼申し上げます。
今後はどうぞご健康にご留意いただき、幾久しくご健勝とご多幸が続きますようお祈り申し上げます。
略儀ながら、書中をもちましてご勇退のお祝いと御礼を申し上げます。
敬具 【社内向けの送別メッセージ・社内報スピーチ例文】
〇〇会長、このたびのご勇退にあたり、社員一同を代表して心より感謝を申し上げます。
荒波の時代において、常に先頭に立って私たちを導き、今日の当社の基盤を築いてくださったリーダーシップは、私たちの誇りであり指針です。
これからは後進の私たちがその志をしっかりと引き継ぎ、さらなる成長へと繋げてまいる所存です。
これまでの多大なるご尽力に感謝申し上げますとともに、新たな門出が素晴らしいものとなりますよう祈念いたします。