二次筆記試験の4つの事例の中で、唯一明確な「数値の正解」が存在するのが事例Ⅳ(財務・会計)です。近年の事例Ⅳは難化傾向が続いており、CVP(損益分岐点分析)や設備投資の意思決定(NPV)、経営分析、キャッシュフロー計算書などの高度な計算問題が波状攻撃のように出題されます。
事例Ⅳ攻略の鉄則は、「全問正解を目指さないこと」に尽きます。難問奇問に手を出して計算の泥沼にハマり、後半の平易な設問や記述問題に手が回らなくなるのが典型的な不合格シナリオです。まずは第1問の「経営分析」で同業他社との比較指標を確実に拾い、基本的なCVP分析で満点を確保する。そして、複雑なNPV問題では設問の前提条件や計算式を丁寧に記述欄に残し、部分点をもぎ取る姿勢を徹底することが、足切りを回避し60点以上の安全圏へ滑り込む決定打となります。
筆記試験という最大の難所を越えた先にあるのが口述試験です。口述試験の合格率は毎年99%超であり、「普通に受け答えができれば全員受かる」という認識自体は間違いではありません。しかし、現場では毎年ごくわずかながら不合格者が発生しています。
口述試験で不合格になる絶対条件は、「無断欠席・遅刻」および「試験官の質問に対して完全に沈黙し、2分間一言も発しないこと」です。口述試験対策として求められるのは、二次筆記試験で使用した4つの事例企業の概要、強み・弱み、提案した施策を頭に叩き直し、「質問の意図を正確に聞き返し、完璧な正解ではなくてもコンサルタントとして明るく論理的に対話を続ける姿勢」を示すことです。過度な恐怖を抱く必要はありませんが、事例企業の設定を完全に忘れて臨むような油断は禁物です。