保護者が最も知りたがっている核心は、目の前にある赤ちゃんの腕が「今すぐ病院へ駆け込むべき状態なのか」という点に尽きます。厚生労働省の予防接種実施要領および感染症サーベイランスの知見に照らし合わせると、接種翌日(24時間前後)の患部状態は大きく3つのパターンに分類されます。
第1のパターンはBCG翌日赤み正常範囲に収まるケースです。18個の針穴の周囲がうっすらとピンク色を帯びている程度、あるいは蚊に刺されたようなごく小さな点状の赤みにとどまっている状態を指します。針を皮膚へ機械的に押し込んだことによる単純な創傷治癒反応であり、発熱や機嫌の悪化がなければ経過観察で問題ありません。
一方、警戒を要するのが第2のパターンである結核感染疑いコッホ反応です。すでに結核菌に感染している乳児にBCGを接種した場合、体が即座に強いアレルギー反応(感作反応)を起こし、通常なら数週間後に現れるはずの免疫反応が接種後数日以内に爆発的に出現します。BCGコッホ現象写真として学術報告される典型例では、翌日から2〜3日目にかけて針跡全体が鮮やかな赤紫色に腫れ上がり、個々の針跡が融合して硬いしこりを形成し、早期に白っぽい水泡や壊死、ただれを伴います。
そして臨床現場で最も保護者を悩ませるのが、第3のパターンである「偽コッホ現象」です。針の刺激や皮膚のデリケートさによって翌日に強い赤みが出るものの、数日を境に急速に沈静化していく反応を指します。これら3つの状態の違いを構造的に把握するため、以下の客観データを頭に入れておく必要があります。