最大の効果を引き出すためには、ただ宙に足を浮かせて回すのではなく、手を使って関節を誘導する「完全把持(はじ)回し」が推奨されます。理学療法の現場でも用いられる足首回しの正しいやり方をマスターしましょう。
基本の手順は次の3ステップです。
- 足指の間に手の指を深く組む:椅子や床に座り、片足を反対側の太ももに乗せます。手の指を足の指の間に根元までしっかり差し込み、手と足で握手を交わすような形をつくります(これだけで足指の末梢神経とアーチが刺激されます)。
- もう片方の手で足首の付け根を固定する:くるぶしの少し上(すねの骨)を反対の手で軽く握って固定します。こうすることで、すねがブレずに距腿関節だけをピンポイントで回すことができます。
- 360度、最も大きな円を描くように回す:手の力を主導にして、足首の力を完全に抜き、1回転に5秒ほどかけるペースでゆっくり回します。足首を回す回数とタイミングとしては、内回し10回・外回し10回(片足約30〜40秒、両足で1分半程度)を目安にします。タイミングは、血流が促されている「入浴中」や「就寝前」、または「長時間のデスクワーク中」が最適です。
実践中によくある相談が、「回していると関節からポキポキと音がする」という現象です。足首を回すとポキポキ鳴る原因の多くは、関節腔内の滑液に含まれる気泡が弾ける音(キャビテーション現象)、または硬くなった腱や靭帯が骨の隆起を乗り越える際に生じる摩擦音です。
痛みを伴わない単なるポキポキ音であれば心配ありません。回し続けるうちに滑液の循環が良くなり、腱の滑走性が向上して自然と音は消失していきます。ただし、「鋭い痛みが走る」「回した後に熱を持って腫れる」という場合は、関節軟骨の摩耗や腱鞘炎の疑いがあるため、直ちに中止し医療機関を受診してください。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
足首回しは極めて安全性の高いセルフケアですが、骨格や健康状態によっては注意が必要です。日々の習慣に取り入れるべき人と、慎重に対応すべき人の明確な境界線を示します。
【積極的に取り入れるべき人】
- 1日6時間以上座りっぱなし、または立ちっぱなしで夕方に脚がパンパンになる人
- 靴下を重ね履きしても足先が温まらない末端冷え性に悩んでいる人
- かかとを着けたまま完全にしゃがみ込むことができない人
- 外反母趾や扁平足気味で、歩くとすぐに足裏やすねが疲れる人
【慎重になるべき人・控えるべき状態】
- 足首を捻挫した直後(急性期)で、腫れや内出血、激しい痛みがある人
- 関節リウマチや痛風の発作などで関節部に発赤・熱感がある人
- 靭帯が先天的に緩い「関節弛緩性」があり、回すと関節が外れそうにグラつく人(※手で無理に回さず、自力での軽い上下運動に留めるのが賢明です)