我以外皆我師は武蔵の名言?吉川英治の真相と仕事に活きる活用術

我以外皆我師は武蔵の名言?吉川英治の真相と仕事に活きる活用術

我以外皆我師は武蔵の名言?吉川英治の真相と仕事に活きる活用術の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でまとめました。

「我以外皆我師」の読み方は「われいがいみなわがし」です。文字通り「自分以外のすべての人間、さらには万象あらゆる現象が、自分に学びを与えてくれる師である」という我以外皆我師の意味を持ちます。文芸界のみならず政財界のリーダーたちにも愛唱されてきたこの言葉ですが、「我以外皆我師は誰の言葉なのか」という問いに対して、多くの人が「宮本武蔵」と誤認しています。

史実としての宮本武蔵が著した兵法書『五輪書』や、晩年に自らの生き方を書き残した『独行道』の全編をいくら探索しても、このフレーズは一切登場しません。真実の発信者は、昭和を代表する大衆文学の巨匠・吉川英治です。

誤解が生じた最大の理由は、1935年から1939年にかけて朝日新聞で連載された吉川英治の歴史小説『宮本武蔵』にあります。連載当時、空前の国民的ブームを巻き起こした同作において、作者である吉川英治は、武蔵という未完成な青年が他者との出会いや葛藤を通じて精神的に成熟していく姿を描きました。その主人公に投影された哲学こそが、吉川自身の座右の銘であった「我以外皆我師」だったのです。小説の爆発的ヒットと後の映画化・舞台化の過程で、創作者である吉川英治の名言の真相が霞み、作中の武蔵のセリフや信条として世間に定着していきました。

吉川英治自身、貧困によって小学校を中退せざるを得ず、船具工や印毛職人、新聞記者などを転々としながら独学で文学の頂点へと上り詰めた苦難の経歴を持ちます。正規の高等教育を受けられなかった彼にとって、市井の市井たる人々、出会った市井の職人、さらには自身を陥れようとした敵対者ですら、自らを高める「師」と捉えざるを得ませんでした。この泥臭い生存戦略と人生哲学が結実した言葉が「我以外皆我師」なのです。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。