紹介料を支払う相手が「個人(フリーランスや副業の個人)」である場合、経理担当者を最も悩ませるのが個人への紹介料源泉徴収の判断です。
所得税法第204条において源泉徴収が義務付けられている報酬には、原稿料、講演料、弁護士・税理士報酬、そして「外交員、集金人、電力量計の検針人その他これらに類する者の業務に関する報酬・料金」が含まれます。単発の個人的な紹介であり、紹介者が外交員やプロのブローカーでない場合、法的には源泉徴収の対象外とされるケースもあります。しかし、実務上は「継続的な紹介業務を委託している」とみなされるリスクを回避するため、あるいは税務上の安全策として、支払金額の10.21%(100万円を超える部分は20.42%)を源泉徴収して税務署へ納付する運用が標準的です。
紹介料の消費税課税区分と2026年のインボイス実務
紹介料消費税課税区分については、紹介という役務提供に対する正当な対価であれば「課税仕入れ(10%)」となります。一方で、対価性が認められず交際費(謝礼・寄付金的性質)と判定された場合、消費税法上は「不課税取引(資産の譲渡等の対価に該当しない)」となり、仕入税額控除の適用を受けることができません。
さらに警戒すべきは、2026年最新インボイス対応のスケジュールです。適格請求書発行事業者ではない免税事業者(個人紹介者や小規模事業者)へ紹介料を支払う場合、インボイス制度導入後の経過措置が適用されますが、控除可能割合は段階的に引き下げられています。
- 2023年10月1日〜2026年9月30日:仕入税額相当額の80%控除可能
- 2026年10月1日〜2029年9月30日:仕入税額相当額の50%控除可能
- 2029年10月1日以降:仕入税額控除不可(0%)
2026年秋には控除率が50%へと落ち込むため、免税事業者の個人に紹介料を満額支払うと、自社が負担する消費税実効コストが急増します。支払先が適格請求書発行事業者であるかどうかの登録番号確認と、免税事業者向けの手数料設定の見直しが現場の急務となっています。