卒論の体裁を整えるうえで、最初に整理すべき基礎知識が参考文献と引用の違いです。学生の相談現場ではこの2つを混同しているケースが散見されますが、大学図書館のガイダンス資料や学術論文の作成基準では明確に区別されています。
「引用(引用文献)」とは、先行研究の主張、統計データ、法律の条文などを、自身の論理を展開・補強するために論文本文内へ直接または間接的に引っ張ってくる行為そのものを指します。他者の著作物をそのまま書き写す「直接引用」と、自分の言葉で要約して取り込む「間接引用」の2種類が存在し、いずれの場合も本文中に注釈番号([1]など)や「(山田, 2023, p.45)」といったインテキスト・サイテーション(本文中出典明記)を付記しなければなりません。
一方で「参考文献」とは、論文執筆にあたって思考の基盤とした背景資料や、直接文章を引いてはいないものの議論の前提として学習・参照した文献全体を指します。多くの大学において、論文末尾に置く文献リストは「引用・参考文献一覧」として一括掲載されますが、本文中の引用箇所と末尾のリストが1対1で正確に対応しているかどうかが厳格に審査されます。本文中に注があるのにリストに載っていない、あるいはリストにあるのに本文のどこにも登場しないといった齟齬は、アカデミック・ライティングにおいて極めて初歩的かつ致命的なミスとみなされます。