ト音記号の意味と由来を徹底解剖!なぜトなのか形の謎と基礎知識

ト音記号の意味と由来を徹底解剖!なぜトなのか形の謎と基礎知識

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ト音記号という名称に触れた際、多くの大人が抱く最大の疑問が「なぜトなのか」という点です。日本語の日常会話で「ト」という音に特別な意味を感じる機会はまずありません。この謎を解く鍵は、日本における近代音楽教育の歴史と、伝統的な音名表記法にあります。

日本で西洋音楽が本格的に導入された明治期、文部省(現・文部科学省)は西洋の音名を日本語に移し替える際、平安時代から続く「いろは歌」を当てはめました。ピアノの鍵盤で親しまれている「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」はイタリア音名ですが、これを日本の音名に置き換えると「ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・イ・ロ」という対応関係が成立します。「ラ」の音を基準(A=イ)として五十音順ではなく「イロハ」を割り当てたため、Cの音が「ハ」、そしてGの音が「ト」に該当することになったのです。

つまり、ト音記号の本来の意味とは「五線譜の下から2番目の線(第2線)を『ト音(=ソの音)』として指定します」という宣言にほかなりません。楽譜の左端に配置される記号は、専門用語で「音部記号(クレフ)」と呼ばれます。五線そのものには最初から固有の音高(高さ)が割り振られているわけではなく、この記号が「ここを基準のソにします」と指し示すことで、初めて五線上のすべての音の位置が確定する仕組みになっています。

「ドの位置を決めるための記号」と誤認しているケースが目立ちますが、楽典の論理的な出発点はあくまでも「ト音(ソ)」です。五線の第2線を中心にしてぐるぐると渦を巻くデザインになっているのは、まさにその線が「ト音」であることを物理的に強調しているからにほかなりません。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。