映画のプロモーションに伴い、ダニエル・ラドクリフが来日した際、小野賢章はスクリーン越しに10年間向き合い続けた「もう一人の自分」と直接対面を果たしています。スタジオの控え室で対面した瞬間、ラドクリフは小野の手を握り、「僕の声をずっと演じてくれてありがとう」と深い敬意と親愛を伝えました。
小野は後のメディア取材で、「スクリーンの向こうでダニエルが呼吸をし、怒り、泣いている姿を何千時間も見つめてきたため、初対面なのに幼馴染と再会したような不思議な錯覚に陥った」と述懐しています。ラドクリフが英国のパブリックスクールに通いながらプレッシャーと戦っていた同時期、小野もまた日本の学校生活を送りながら週末にハリーの声を吹き込む生活を送っていました。国境を越えた同世代の二人が、互いに言葉にせずとも過酷な運命を共有していた瞬間でした。