公認会計士試験を正しく理解するには、第1次試験に相当する「短答式試験」と、第2次試験である「論文式試験」の二段階選抜を個別に分析しなければなりません。この2つの試験は求められる能力が根本から異なります。
短答式試験は、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目によるマークシート方式です。年2回(12月・5月)実施されますが、合格率は例年10%前後(回によっては7〜12%程度)と、最初の関門にして最大の難所として立ちはだかります。短答式を突破して初めて受験資格を得られる論文式試験は、会計学・監査論・企業法・租税法・選択科目(経営学や経済学等)の記述式で競われ、こちらの合格率は約35%で推移しています。
「論文式の合格率が35%なら、短答さえ受かればなんとかなるのではないか」という楽観論は現場では通用しません。論文式を受験しているのは、すでに短答式という上位10%のフィルターを潜り抜けた精鋭たちです。そのハイレベルな集団の中から、さらに3人に1人しか拾われないという現実は、精神的にも肉体的にも過酷を極めます。なお、論文式試験の合否判定には偏差値方式(得点比率52.2%以上など)が採用されており、1科目でも得点比率40%未満の「足切り」があると、総得点で基準を超えていても不合格になる厳格なルールが敷かれています。