停電時やエアコンの補助として多用される保冷剤や凍らせたペットボトルですが、使い方を一歩誤ると重大な事故を引き起こします。現場で最も多く報告されるトラブルが、保冷剤結露による事故と危険な理由に直結する「ケージ内の過湿」と「床材の汚染」です。
冷凍庫から出したばかりの氷塊をケージ内や天面に直置きすると、周囲の空気との激しい温度差によって大量の結露水が発生します。この滴り落ちた水滴がケージ内のウッドチップや紙床材を湿らせ、局所的に湿度80%以上のカビ・真菌温床を作り出してしまうのです。毛皮が濡れたハムスターは、暑い部屋の中で突如として体温を奪われ、真夏にもかかわらず低体温症に陥って衰弱死する痛ましい事故が発生しています。
さらに市販の保冷剤に含まれる高吸水性ポリマーやエチレングリコールは、齧り癖のあるハムスターが誤飲した場合に腸閉塞や急性腎不全を引き起こす猛毒となります。保冷剤を直接ケージ内に入れる行為は絶対に避けなければなりません。
非常時や補助冷却として活用する際は、ペットボトル保冷の正しい作り方を厳守してください。500mlのペットボトルに8分目まで水を入れ、塩を小さじ1杯(約5g)混ぜて凍らせることで保冷持続時間を延ばせます。使用時は水滴を完全遮断するため、キッチンペーパーで2重に巻いた上で厚手のフェイスタオルや専用の吸水性ホルダーに格納し、ケージの「外側」の側面に密着させて設置するのが鉄則です。冷気は上から下へ流れるため、ケージ上部の網の上に水漏れ防止トレイを挟んで置く手法も有効です。
また、ハムスター夏用ケージの置き場所も見直しが必要です。南向きの窓際や直射日光が数十分でも差し込む場所は、温室効果によってケージ内が瞬時に40度を超えます。エアコンの冷風がケージに直接吹き付ける位置も急激な寒暖差で体調を崩す原因となるため、冷気が直接当たらず、床から30cm以上離したラックやキャビネットの上にケージを設置するのが理想的です。