山梨県や福島県などの主産地では、カリカリとした歯ごたえを楽しむ硬い品種(「おどろき」や「まどか」「シーエックス」など)が根強い人気を誇ります。しかし、都市部のスーパーで「まだ熟していない硬い白鳳やあかつき」を買ってしまった場合、湯むきや電子レンジを試しても皮が張り付いて剥けません。
固い桃の皮の剥き方においては、無理に裏ワザに頼るのをやめ、T字型ピーラーを活用するのが最も確実で歩留まりが高くなります。完熟桃にピーラーを使うと身が潰れますが、果肉が締まっている桃であれば、トマト用や一般的な野菜用の波刃ピーラーで薄く均一に皮を剥ぎ取ることが可能です。包丁を使う場合は、硬い桃特有のサクサク感を活かし、皮ごと薄めのくし形に切ってから包丁の刃元を使って皮を引くと滑りません。
もしその硬い桃をやわらかくジューシーに仕上げたいなら、適切な追熟が必要です。桃の熟度を見分けるチェックポイントは以下の通りです。
- 軸周辺の地色:枝についていた部分のくぼみが、緑色から「乳白色〜黄色がかった白」に抜けているか。
- 香りの立ち方:鼻を近づけた際、甘く芳醇な香りがはっきりと漂ってくるか。無臭のうちはまだ未熟です。
- お尻の弾力:果頂部(先端)を手のひらでそっと包んだとき、ほんのわずかに押し返すような柔らかな感触があるか。
未熟な桃は絶対に冷蔵庫に入れてはいけません。追熟を促す際は、エアコンの直風が当たらない20〜25℃前後の風通しの良い日陰に置き、紙袋や新聞紙でふんわり包んで常温管理します。リンゴと一緒にポリ袋に入れておくと、リンゴから放出されるエチレンガスの作用で追熟期間を1〜2日短縮できます。