会場内を見渡すと、「CEO」「ファウンダー」「コンサルタント」「マーケティングプロデューサー」といった華麗な肩書きが記載された名刺が飛び交います。しかし、その実態を法人登記情報やWebサイトで精査してみると、登記すらされていない個人事業主であったり、SNSのフォロワーが数十人程度の活動実績しかないケースが珍しくありません。
自称起業家が経歴詐称の理由に走る背景には、心理学でいう「ハロー効果(目立つ特徴に引きずられて全体の評価を歪めてしまう心理現象)」への過度な依存があります。実質的な売上やビジネスモデルを持たない人間ほど、高級腕時計やオーダーメイドスーツを身にまとい、有名経営者とのツーショット写真をスマートフォンで見せびらかすことで、自らの権威を偽装しようとします。彼らは実績がないことの不安を、他者からの羨望を集めることで打ち消そうとする「肥大化した自己愛と承認欲求」の囚人と言えます。
また、異業種交流会におけるナンパや出会い目的の評判も極めて悪質です。表向きはビジネス目的を装いながら、女性参加者の連絡先だけを集中的に集め、「事業の相談に乗る」という口実でプライベートなサシ飲みに持ち込もうとする男性参加者が一定数紛れ込んでいます。健全なビジネスパートナーシップとは程遠い、歪んだ下心とプライドが渦巻いている点も、参加者に強い胸焼けを覚えさせる構造的要因です。