市場に作品が少ない理由として、ネット上では「公式が二次創作を全面禁止しているのではないか」「厳しい摘発が行われているのではないか」という憶測が長年囁かれてきました。しかし、無職転生 二次創作規約の真相を出版元および製作委員会の一次情報から紐解くと、事実はまったく異なります。
KADOKAWAおよびMFブックスが提示している二次創作ガイドラインは、一般的なライトノベル作品の通則に則っています。原則として「非営利目的かつ個人が趣味の範囲で行う創作活動」であれば、同人誌の即売会頒布やイラスト投稿は公認・黙認の枠組みにあります。過度な営利目的や企業による無断商用利用、原作のコピーペーストに近い海賊版出版に対しては厳正に対処されるものの、ファンアートや同人誌制作そのものを一律排除する規約は存在しません。
では、なぜ「禁止されている」という誤解が定着したのでしょうか。その発端は、原作者である理不尽な孫の手氏のWeb連載時代から続く著作権意識の高さと、一部の過激な転載サイトに対する公式側の毅然とした警告にあります。法務部門による権利侵害への厳格な姿勢が、ネット上の伝言ゲームによって「無職転生は同人誌を出すと訴えられる」という都市伝説へ変貌を遂げたのが実情です。